だらり100名城めぐり

だらだらと日本100名城めぐりします

今週のお題「読書の夏」

城めぐりの写真整理がおっつかないので、はじめて「今週のお題」で書いてみたいと思います。(書いてないで整理やれとw)

「読書の夏」ということですが、子供の頃は今にも増して物ぐさな性格だったので「夏あぢー外でたくねーかき氷たべてー」と夏休みの間中いつも家にいたような気がしますが、まだ今のように友達とゲームで遊んだり携帯でコミュニケーションを取れるわけでも無く、かといってテレビをぼさっと見ることも叶わない(見てないで宿題終わらせろと親に怒られる)ので、自室で机に向かって勉強するふりをしてよく本を読んでいました。今回のお題で、これまで自分はどんな本を読んできたのだろうかと振りかえってみたくなったので、この機会につらつらと思いだしてみます。

 

小学時代

なんといっても、学研の「ひみつシリーズ」です。学校の図書室から友だちと競うように借りて、次から次へと読んでいました。

【ひみつシリーズ】学研のひみつシリーズは子供時代の愛読書!よく友達と交換しましたよね~ | Middle Edge(ミドルエッジ)

まんが日本の歴史シリーズ」(※当時の出版社はどこだったか…)も読んでいましたが、これきっかけで歴史に興味をもつということはなくw、それよりも大好きだったのは江戸川乱歩の「少年探偵団シリーズ」。起きる事件が猟奇的だったり連続殺人だったり、小学生の身では読むと少し大人になったような気分でした。

それと恐らくですが、この頃のシリーズものを読破していく経験からか「気に入った作家の本はすべて読まないと気が済まない」というようになり、学生時代は浅く広くというよりも、好きな作家を一点集中で凝り固まった読み方をするようになります(-_-;)

 

中学時代

中学に入ると一転してSFモノにハマりだします(たぶんクラスで流行っていたのかと)。中でも夢中になって読み漁ったのが新井素子。 著書の多くが「コバルト文庫」という少女向け小説レーベルから出ていたので、中学男子としては若干の気恥ずかしさがありましたが、そんなことも言ってられないほどの面白さで、従来のSFにはない機知に富んだ瑞々しい文体に引き付けられました。今でいうラノベのはしりだったのかもしれません。どの作品も好きでしたが、ひとつ挙げるとしたらやっぱり処女作「あたしの中の……」。

あたしの中の…… (集英社文庫―コバルトシリーズ 75C)

あたしの中の…… (集英社文庫―コバルトシリーズ 75C)

 

表題を含む短編集なのですが、いまでも「文字だけでこれだけのものが表現できるのか!」という衝撃は忘れられません。

他には幻魔大戦やウルガイシリーズで有名な平井和正も読んでいましたが、シリーズの終わりがみえずに途中で挫折しました…

 

高校時代

SFで小説の愉しみを覚え、高校時代になると今度は純文学を読み出します。年ごろになるとやはり太宰治は避けて通れません。芥川賞芸人の又吉じゃありませんが、「これはオレのことか!」と感情移入しながら貪り読んでいました。太宰で私小説が好きになると次に好んで読んだのが大江健三郎。「死者の奢り」「芽むしり仔撃ち」など初期作品をよく読み、独特の読みづらい文体がクセになって何度もページを繰り戻しては読み進めていた気がします。ただ作品を重ねるにつれて自分には難解になってしまい、これも全作品を読むには至りませんでした(^_^;)

そんな中、高校を通して最もハマり、高三の最後に提出する論文のテーマにもしたのがJ・D・サリンジャー。急に欧米化w

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

 

特に「ライ麦畑でつかまえて」は、夜中ベッドの中で読んでいると、目で追う文字がぐわんぐわんと頭の中でまわりだして終いには本と自分とが同化してしまうような(うまく表現できないw)何ともいえない恍惚感(いわゆるトリップ状態)に襲われた経験があり、以来何度も読み返した思い出があります。当時はかなり感受性豊かだったんですね(;´∀`)。ちなみに近年、人気作家の村上春樹氏も翻訳しましたが、自分は野崎孝氏訳のものしか読んだことありません。

 

大学時代

この頃になると、流行りものにやたらと手を出すようになりますw。あの頃の本棚を思い返すと、目に浮かぶのは角川文庫の真っ赤な背表紙が印象的だった片岡義男。何作かは小説を原作に映画にもなりました。

「スローなブギにしてくれ」「彼のオートバイ、彼女の島」「ボビーに首ったけ」「いい旅を、と誰もが言った」「誰もがいま淋しい」「寝顔やさしく」

乾いた文体で登場する男女がとてつもなくカッコいい。でもいつもどこか切ない。タイトルを諳んじるだけで、ちょっと胸が締め付けられる感覚があります。

他には椎名誠。「わしらは怪しい探検隊」を読んだころ、自分は昔から典型的な仕事人間の父親しか見たことがなかっため、さほど父親と歳の変わらない椎名誠氏がこんな自由気ままにしかも楽しそうにしているのを読んで、大人になってもいろんな生き方があるのだなぁと感慨深く自分の将来を考えたものでした。

椎名誠 旅する文学館 » Blog Archive » 『わしらは怪しい探険隊』その1

そして当時に出会ったのが、いまに続く歴史好きのもとにもなった司馬遼太郎

燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)

燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)

 
峠 (上巻) (新潮文庫)

峠 (上巻) (新潮文庫)

 

春先には「燃えよ剣」を、この夏にも「峠」を読みました。初めて読んでからウン十年経っていますが、話しの軸が昔のことだからか歴史物はいつどのタイミングで読んでも、その感動はなんら変わりません。

2年ほど前にサリンジャーライ麦〜を読み直したとき、高校時代に得た感慨とはほど遠く逆に最後まで読み続けるのが難しくなっていました(;´∀`)自分の中ではかなりショッキングな出来事でしたが、恐らくはここに挙げた歴史物以外の他の本もそうなのかもしれません。以来、本にはその人に出会うべき時期があるのかなぁと考えたりもします。今後も歴史物はずっと読み続けるでしょうが、それ以外のジャンルでも今の自分にしっくりくる本にこの先出会えると嬉しいのですが。

近頃の暑さではままなりませんが、クーラー(エアコンではないw)もなく網戸と扇風機だけの部屋で、蝉の声すら気にならなかった「読書の夏」がなんだかとても懐かしい今日この頃です。

 

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